2021年9月24日金曜日

保険代理店経営について(私見)

中秋の名月の1日前に撮った写真。相変わらずカメラは苦手・・・、ヘタである。

さて現在当社では縁あって3社の損害保険会社さんと2社の生保会社さん、1社の少額短期保険会社さんとお付き合いがあります。
中でも損害保険出身の僕は、やはり損保に関する情報には敏感になってしまいます。

そんなシルバーウィーク終盤の今日、N損保(日新火災です)のご担当者さんが事務所にお見えになりました。内容は今後の当社の目標設定やコンプラの定期点検などだったのだけど、ついついお話の聞き上手なWさん、僕が喋るに任せ色々とお話を聞いてくださり、それに対し必要な情報を様々提供してくれました(もちろん個人情報や特定のお客様のお話は伏せての上です)。

前提として、昨今損害保険会社では星の数ほどある商品ラインアップや各種特約を相次いで整理をしまとめています。わかりやすく言いますと、今までノーマルあんぱんと、フランスあんぱんと、生クリームあんぱんの3種のあんぱんラインアップだったものを、今回「フランス生クリームあんぱん1種」だけにしたような。よってクラシックなあんぱんを食べたい人や生クリームはいらない人のニーズはひとまずご容赦をいただく。それがイヤなら他所でどうぞ。。。みたいな風潮に僕には映る。

もちろん営利事業だ、赤字覚悟で希少なニーズに沿うばかりというわけにはいかないことは一定程度理解できる。しかし日新火災の場合それがとても顕著に感じるのです。それが悪いというわけではなく、会社の方針、生きる道というのであれば仕方ない。

したがって当社のような王道商品ばかりではなく、ニッチなマーケットに特化し、そのマーケットのお役に立つべく奮闘している損保代理店としては正直苦しい。

そこで聞き上手なWさんに、「フランス生クリームあんぱん1種」しか売らなくなった御社の損保代理店さんはどうしているの?どうやって売り上げを伸ばしているの?と聞く。

お辞めになる代理店さんと提携するとか、元々バックボーンがある方でその市場を開拓しているだとか、色々お聞きするけれど、お答えいただく内容はいわば王道。すなわち人脈。

古の昔より保険代理店営業は「一に人脈、二に直扱い、三四がなくて五に合併」などと僕は思っている。そんな古臭い業態がイヤで色々と奮闘はしていますが、結局は当社も似たようなものかもしれません。ただし当社の場合はネットをうまく活用出来ていると思っているので、その点だけはまあまあ良いかもです。

そんなWさんのお話をお聞きして、逆にほっとしてしまいました。まだまだそんなことをしている市場なんだなと。もちろんすっかり根付いた来店型ショップも悪くはないとは思うけれど、損保にはあまり親和性はないのかなと感じています。であるならば「教育と医療」という分野に少しだけ活路を見出している当社にはもう少しだけ伸びしろがあるに違いない。

業界歴35年、損保マンとしてあと10年現役でいられるかどうかわからないけれど、もう少しだけ野心をもって、そして毛色の違う独自性の高い保険代理店でいたいと思っています。

2021年9月15日水曜日

保険金支払部署について

 

うちのネコ
保険代理店である当社は、お客様の保険契約において保険金をお支払いする権限を一切持ち合わせていません。

この仕事を始めてすぐに学習したのは、「保険金をお支払い出来るか否かの判断を代理店はしてはならない」である。もう少し言い方は違っていたかもしれないが、いずれにせよお客様の保険金請求事案に対して、安易にお支払い対象か否かなどを回答してはならないということです。

これは代理店なのだから致し方ないのだけれど、何とも歯がゆいものです。

あくまで人によるけれど、我々はお客様サイドからはヤイヤイ言われ(ることもあり)、その反面保険会社の保険金お支払部署の人達はすこぶる慎重で、その保険金支払い事案が適正か否か、あらゆる角度からためつすがめつ検証をする。

間に立って何もできない(わけではないが)代理店にとっては、時に生きた心地がしないものです。お客様からみた保険代理店の価値の一つとして、やはり保険金を“払ってナンボ”みたいな評価をなされることがまだまだあるため、昨今の損害率による代理店評価ポイントとは別に、やはり万一の際は気持ちよく保険金をお支払い差し上げたいと思うものです。

そんな立場の保険代理店であるがために、保険金お支払い部署の方たちのことを親の仇かと思うほど憎き連中であると感じることがある一方で、それとは正反対の頼りになる存在でもあります。

そう今回、ある事案において私の保険金お支払い部署の方々に対する評価が一変するような出来事がありました。

詳細を書きますとドえらいことになりますので当然伏せますが、その保険金お支払い部署のご担当者を仮にAさん(女性)とします。

そのAさんが交通事故による各種保険金のお支払いの前段階にて、お客様へ保険会社として守らねばならない一線を越えず粘り強く説得をし(それがお客様の利益にもつながることなのだけど、お客様からは到底理解しにくいと思う)、さらには多くの関係先へ聴取やお願いをしながら、様々な関係先にとってベターな落としどころをつけたその様子をつぶさに共有・ご協力をしていた為、改めてこんなに大変な仕事だったのかと正直感嘆した次第だったのです。

詳しく書けないため何が何だかわからないとは思いますが、それ以前に私はそのお客様を含めた各取り巻きによりサンドバッグ状態となっていたため既に虫の息。。。一筋縄ではいかない事案であったため、そのご苦労に心からの感謝を致した次第です。

保険代理店が保険会社に感謝などというと、これまでのお客様ファーストみたいな信条や理念とは逆行するような気もしますが、そこはそれ、そのAさんが普段我々やお客様が見えないようなところで頑張りと心意気を示していたことに感銘を覚えたということが言いたいわけです(お客様からすれば「それが仕事だろ!」と一蹴されるかもしれませんが)。

実際いわゆる保険金支払い部署の皆さんは日々かなりのストレスに晒され、メンタルになってもおかしくないと思うほどの環境にあると思う(かくいう保険代理店もこう見えて病むことは少なくない・笑)。そんな事情を知らない事故において発生する利害関係者は自身の利になることしか目には映らないと思う。

かくいう代理店もお客様のために保険金お支払い部署の方々へムリを言う事もたびたびだけれど(もちろん論理的にね)、これからも我々はその姿勢を変えずとも、Aさんのような頑張り屋さんが報われるようご協力してゆければと思いました。