2021年9月15日水曜日

保険金支払部署について

 

うちのネコ
保険代理店である当社は、お客様の保険契約において保険金をお支払いする権限を一切持ち合わせていません。

この仕事を始めてすぐに学習したのは、「保険金をお支払い出来るか否かの判断を代理店はしてはならない」である。もう少し言い方は違っていたかもしれないが、いずれにせよお客様の保険金請求事案に対して、安易にお支払い対象か否かなどを回答してはならないということです。

これは代理店なのだから致し方ないのだけれど、何とも歯がゆいものです。

あくまで人によるけれど、我々はお客様サイドからはヤイヤイ言われ(ることもあり)、その反面保険会社の保険金お支払部署の人達はすこぶる慎重で、その保険金支払い事案が適正か否か、あらゆる角度からためつすがめつ検証をする。

間に立って何もできない(わけではないが)代理店にとっては、時に生きた心地がしないものです。お客様からみた保険代理店の価値の一つとして、やはり保険金を“払ってナンボ”みたいな評価をなされることがまだまだあるため、昨今の損害率による代理店評価ポイントとは別に、やはり万一の際は気持ちよく保険金をお支払い差し上げたいと思うものです。

そんな立場の保険代理店であるがために、保険金お支払い部署の方たちのことを親の仇かと思うほど憎き連中であると感じることがある一方で、それとは正反対の頼りになる存在でもあります。

そう今回、ある事案において私の保険金お支払い部署の方々に対する評価が一変するような出来事がありました。

詳細を書きますとドえらいことになりますので当然伏せますが、その保険金お支払い部署のご担当者を仮にAさん(女性)とします。

そのAさんが交通事故による各種保険金のお支払いの前段階にて、お客様へ保険会社として守らねばならない一線を越えず粘り強く説得をし(それがお客様の利益にもつながることなのだけど、お客様からは到底理解しにくいと思う)、さらには多くの関係先へ聴取やお願いをしながら、様々な関係先にとってベターな落としどころをつけたその様子をつぶさに共有・ご協力をしていた為、改めてこんなに大変な仕事だったのかと正直感嘆した次第だったのです。

詳しく書けないため何が何だかわからないとは思いますが、それ以前に私はそのお客様を含めた各取り巻きによりサンドバッグ状態となっていたため既に虫の息。。。一筋縄ではいかない事案であったため、そのご苦労に心からの感謝を致した次第です。

保険代理店が保険会社に感謝などというと、これまでのお客様ファーストみたいな信条や理念とは逆行するような気もしますが、そこはそれ、そのAさんが普段我々やお客様が見えないようなところで頑張りと心意気を示していたことに感銘を覚えたということが言いたいわけです(お客様からすれば「それが仕事だろ!」と一蹴されるかもしれませんが)。

実際いわゆる保険金支払い部署の皆さんは日々かなりのストレスに晒され、メンタルになってもおかしくないと思うほどの環境にあると思う(かくいう保険代理店もこう見えて病むことは少なくない・笑)。そんな事情を知らない事故において発生する利害関係者は自身の利になることしか目には映らないと思う。

かくいう代理店もお客様のために保険金お支払い部署の方々へムリを言う事もたびたびだけれど(もちろん論理的にね)、これからも我々はその姿勢を変えずとも、Aさんのような頑張り屋さんが報われるようご協力してゆければと思いました。