友人と呼べる人は少ないと思う。
もしかして友人なのかどうかもわからない。
小さな頃から人見知りで、およそ社交的なタイプからは程遠い。
・・・ある時期、他者からの誤解か(またはイジメか)を受けたことで、人に対する恐怖心、強い対人恐怖が植えついたままかなりの時間が経過している。しかしそのキズは癒えることなく常に僕の傍らに居座り続けている。恐らくこれは一生治らないのだろう。
そして潜在的に消えない“人に対する恐怖心”があるから、心のどこかで常に他者に対して壁のようなものを作っているだろうし、人からも心を開かないタイプと思われているかもしれない。
そうやって心を閉ざしている。
・・・・学生時代であれば、いわゆる人気者、学級委員さん、スポーツ万能、とにかく常に人に囲まれている太陽のような人たちを羨ましく思っていた。
社会に出てからもそうだ。若くしてエリートといわれている人たちやスーパー営業マンみたいな人たちはごろごろいる(もちろんそういう人たちは陰日向の努力が報われてきた結果であると重々理解しているつもり)。
僕はそうはなれなかった。
努力が足りないと言われればそれまでだが、それを言ったら身も蓋もない。
現在モーレツな人気となった「鬼滅の刃」。
今のブームになる前、連載前半頃より「HUNTER×HUNTER」と並んで大好きだったこの作品の重要な登場人物のひとり・「縁壱(よりいち)さん」。
色々割愛するけれど、彼の作中のセリフのひとつ。
家族を鬼に殺されてしまったのちに一人語るシーン。
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自分が命より大切に思っているものでも、他人は容易く踏みつけにできるのだ
私の夢は家族と静かに暮らすことだった
小さな家がいい
布団を並べて眠りたい
愛する人の顔が見える距離
手を伸ばせばすぐに繋げる届く距離
それだけで良かったのに そんなことすら 叶わない
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マンガであるが、バカにしないでいただきたい。
絵空事なのだけれど、このシーンを読むにつれ涙が止まらなくなる。
僕には友達があまりいないけど、その数少ない友達のことを大切に思っている。
そして何より僕には手を伸ばせば届くところに大切な家族がいる。
僕の人生はそれで十分なのだと思う。
欲をかいちゃいけないと思う。
これでいいのだと思っている。