2018年3月2日金曜日

万一の時の言葉

2016年10月(心臓疾患で入院中)
ウチの家内は看護師さんである。先日その医療従事者たる家内より「心臓マッサージ」について色々とご託宣を賜っていたときのことだ。
何を隠そう心臓の悪い僕が万一、白目剥いて泡吹いて倒れてたら心臓マッサージをしてくれるか否かという質問をしてみた。
(写真は2年前の入院の際、手首と足の付け根に穴を空けて大動脈からカテーテルを挿入したときの絶対安静時の様子です。マドハンドじゃないヨ)

相変わらず冷静な我が妻は「救急を呼んで、AEDを探してくるかな」なんてつれないセリフ。

僕としてはテレビドラマなどでよく見る、両手で心臓をグイグイししながら「帰ってこーい!!帰ってくるんだー!!」ってヤツをやってもらいたいのだというと、「はいはいそうだね、耳は聞こえてることが多いからね」と相変わらずクール・・・。

そこでふと思った。
白目剥いて泡吹いてる状態でどんなセリフを言ってもらったら、三途の川に片足突っ込んでいる状態から現世に帰って来る気にさせるのか、僕にとって即効性のあるセリフは何だろうかと考えてみた。

すぐに答えが出た。

「『HUNTER×HUNTER』が終わる前に死んでいいの!!」

「『HUNTER×HUNTER』再開したよ!読みたいでしょ!!!」

これだ、これしかない。

僕は少年ジャンプ連載・冨樫先生の『HUNTER×HUNTER』の大ファンなのである。
このマンガはなにぶん冨樫先生の事情にて休載が多い為、なかなかお話が前に進まない。
おまけにキリのいいところで終わればいいのに、その世界観や伴うお話はさらに拡大している。
どう始末をつけるおつもりなのか、心配で心配で仕方がない。
そう、現在53才の僕が死ぬまでに何とか完結してほしいと切に願っているマンガなのである。

家内はどうか?
聞くと「もしそうなったら、ほっといてもらいたい」と言う。
何言ってんだと思いながら、その性格からしてそのコメントに納得はしているが、ほっといて良いわけがなかろう。
どんなセリフがいいか考えてみた。
「卵が先着100名様限定で激安だってよ!」「チョコパイのファミリーパックが180円だってよ!」
おかげさまでクールな家内に少しだけウケた。


こうして夫婦でいざというときの心得を語り合うようになってきた。
父親は74才で他界した、僕も恐らく同じようなものだろう。
と考えればいよいよ人生も最終コーナーに入ったあたりだ。

『HUNTER×HUNTER』もさることながら、いまとても楽しみにしているのは『鬼滅の刃』だ。
上記のセリフを『鬼滅の刃』に置き換えつつ、家内と二人くだらない話をしながら、毎日をもう少し楽しみながら過ごしてゆきたいと思う。