2014年9月13日土曜日

保険代理店とポイント制度

業界の方だけお読み下さればよいし、逆に読むに値しない程度の話である。
これは様々な意見があろうからそこはそれ、あまり気になさらないでいただきたい。(ちなみにオチもない)

ご承知の通り、現在の損害保険代理店はお客様からお預かりした保険料から一定割合を乗じた金額を手数料(売上)として保険会社経由で頂戴し成り立っている職業である。
そしての一定割合を示すものが手数料率であり、保険会社からみて魅力ある保険代理店にはさらに一定の加算率(ポイント制度)を乗じるものである。

数式としてはこうである。

・保険料×手数料率×加算ポイント(率)=代理店手数料

しかし一部の大手代理店やディーラー系の代理店、その他保険会社にとって魅力ある(力のある)代理店以外の大多数はこのポイント(率)が100%以下であろう。
要は同じ保険料を取扱いながらA代理店は1万円をいただき、B代理店は3000円しかいただけないといった差が生じるのだ。

当社もご多分に漏れず、この加算ポイントは目も当てられないほどのヒドい数値である。友人からは「よくそんなんで代理店やってるネ」と呆れられる始末。
しかし好きでやっているこの職業。同じ保険料を取り扱いながら、他の大手代理店より少ない手数料しかいただけなくとも本人がいいと言ってんだからいいのである。
お客様が当社を評価して下さる限り、石にしがみついてでも続けたいと思っているのだから(今のところ)。

そうは言っても先立つものがなければ何も出来ない、キレイごとばかりでは成り立たないのだ。

そこでこの2014年3月、5年ほど前より個人的に親交のあった東京海上日動グループの中の「日新火災保険」という保険会社の代理店登録を行うことを決めた。
そう、この日新火災というところは先のポイント制度がとても保険代理店思いのいい会社なのである。もちろんやるべきことをやらなければダメであるが、その優劣はあくまで保険代理店として自立していることが最重要なのだ。
※成長性とかなんとか都合のいいこと言って、規模だけは大きくても自立できていない保険代理店はそれこそ腐るほどある。(別にそれはそれで保険会社がいいと思うのであればそれに文句をつけるつもりはない)

そんなこんなで意を決して取り組んだ日新火災との代理店登録手続き。何とか既存の損保会社2社から日新火災の代理店を新たに取り扱うことの承諾を取り付け(そもそもなぜ承諾がいるのか?保険会社にとって都合のいい理由はいくつか思い浮かぶが、全くもって大きなお世話だと思うが)、無事この4月から日新火災の代理店も始めることができた(合計で損保は3社になった)。

こんなにスムースにことが運んだ理由はいくつかあり、タイミングも良かったのであるが、普通の保険会社は自分のところの代理店が、新たな保険会社の取引を増やすことをイヤがることが多い。
そりゃそうだ、今までヤマザキパンしか扱ってなかったパン屋が急に第一パンを扱うようになれば売り上げがバラけるに決まってる。

または「そんなの認めない!浮気なんて許さない!」ってキーキー騒ぐ保険会社もあるだろう、しまいには「そんなに浮気したいんなら覚悟しておきなさいヨ・・・」と脅す保険会社もあるかもしれない(僕は以前、ある保険会社の支社長さんから「業界で生きていけないようにしてやるゾ!」と恫喝されたことがあるくらいだ)。
そんな正妻の報復措置を受けることを恐れ、浮気することが出来ない代理店さんもあることだろう(もとい、浮気じゃない、本気なのだ)。
しかしおかしなもんで、当の正妻も取引のない代理店さんのところに行っては、「アタイといいことしな~い?」って色目を使っているのだから。
要はお互い様なのである。

・・・何かたとえがおかしくなってきた。

もちろんこのままこの3社の損保さんの取扱いで代理店としての営業を続けていけるとは思っていない。いずれ収斂することになるか、収斂しつつ別の取引先との縁を増やしたり、多少の軸足を変えていきながら残りの保険代理店人生を過ごすことになることも視野に入れておかねばなるまい。
(場合によっては他の代理店さんとの合併もありうることだろう。現に他の個人代理店さんとの提携は始めているところで、今回はいずれ当社に合併いただくような格好になる予定である)

かれこれ25年以上も続けている仕事である。同業の先輩・友人・知人たちが一人、また一人とステージから降りていくのを見ることもある。
また別のステージで活躍する方々もいるし、単にハコを替えただけの方もいる。

まるで「グリーンマイル」に登場するポール・エッジコムのような気分だ。