2014年9月17日水曜日

チビネコ

今から13年ほど前だと思う。
長女がまだ幼稚園児の頃、家の近所でミーミーと鳴き声がするので、表を見渡すとダンプといっていい大きさのトラックの下、シャーシだか管だかわからないゴチャゴチャしたところに挟まってしまったまま見動きできそうにない子猫を救出・確保した。明らかに産まれて数か月だろうか。
取り急ぎドロだらけでカピカピの体をよく洗い、ミルクをほんの少し与え、このままウチで飼うかどうか思案した結果、当時長男がまだ1才くらいであったこと、家内が育児で大変な最中、ネコの世話まではプレッシャーなどの理由からウチで飼うことは断念。
その日のうちに千葉県市原市に住まう父母のもとへ急行、ネコの扱いに慣れている母に強引に預け、チビは足立区から千葉県の住人となった。
元々かなり弱っていたらしく、脱水症状やら何やら、一命を取り留めるのにえらく苦労したらしく、あとで散々文句を言われたものだ。(たしかにクルマでチビを実家に連れていく道中、下痢をしっぱなしでクルマを運転する僕のおなかのところでぐったりしていた。今を思えば何という暴挙だろう。まずは動物病院だよね。ごめんなさい)
しかし一命を取り留め、我が父母の手厚い看護と愛情と、実家にウジャウジャいたその他のイヌネコ動物との交流の甲斐もあり、すくすくと育ってくれた。

しかし年月が経過し、1年に2回ほど実家に帰る僕の姿を見るなりこのチビに関してだけは何処へと隠れてしまう始末。元々トラックの陰から救い出したオレ様を何だと思っているのか。
そうはいってもまずまず、元気に過ごしているようで何よりであった。

・・・そんなチビがつい先日近所に住まう母のアパートで亡くなった。

僕はよく路頭に迷っているネコを拾う。
あるいは人が拾ったネコをよくもらう。

動物を飼ったことがある方ならその悲しみのほどはどれほどのものか。
言葉で表現するなんて僕のような語彙のない、それもこんなブログの1ページで表現すること自体到底ムリだ。

でもいつも後悔ばかりを感じてしまう。
もっとおいしいゴハンをあげればよかった。
あれもダメ、これもダメってしなきゃよかった。
あのとき、こうしていればよかった。。。と、そんなことばかり。

今もウチには1匹、凶暴なネコ(♂)がいる。
毎日彼と闘うのは楽しい(長男も彼にとっては襲撃の対象となっている)。

新聞を読んでればその新聞の陰からお尻をふりふり飛びかかってくる。
テーブルの下に隠れ、突然人の足に飛びかかってくる。
または休日についうとうとと昼寝などしようものなら、わざわざおなかの上をズカズカと歩いて通ってゆくこともある。みぞおちに入った日には息も止まりそうである。
早朝、寝込みを襲われることもしばしばで、人の布団のスキマからツメを突き出した手を突っ込んできてはチャチャッ!と引っ掻いてくる始末。(これは誤解しないでいただきたい、おなかが空いてきて僕を起こしにくる所作である)

こんなヤンチャで凶暴な彼には彼が最もキライとするお風呂で「シャンプーの刑」に処するのだ。

・・そんな彼であるが、いつか別れる日が来ることはわかっている。(もちろん健康に過ごせばあと10年は生きると思うけど)
とにかく長生きしてほしい。

どんなに人を引っ掻いたり、噛んだり、ネコキックをしようとも。
ゴキブリを見つけて知らんぷりしてようとも。
僕の服の上で寝転がって毛だらけにしようとも。
家内と長女には甘え、僕+長男連合と抗争が激化しようとも。

何だかんだいっても、ゴハンの時間だけはニャーニャー鳴きながら僕の周りをグルグル、グルグルしてるのだから。