少し辛気臭い話です。
つい一昨日、夜中に母より連絡があり、具合が悪いのだという。
正直救急車を呼ぶかどうするか迷っていたところ、家内に電話を代わってもらった。
家内は医療従事者である。
母より一通り症状をあれこれ聞いたあと、日頃母が通う病院の診察券の内容を聞き写し、そのままその病院に電話をかける。
まさに医療従事者としての専門用語をビシビシ投げかけ、夜間ではあるが救急車を使わずに受け入れが可能かどうか、あれこれ手配をしていた。
結果、残念ながら受け入れ不可であり、また実際救急車を呼ぶかどうかの症状もはっきりわからないため、そのまま母のもとへ急ぐ。
母の元へ着くや否や、家内は母に優しい葉をかけ、脈をはかり、おなかをさわり、口の中を覗き込んだり、あれこれやっている。
傍らで何もできない僕はただただ呆けてその様子を眺めるだけである・・・。
全くもって役に立たない男である。
家内は学校でPTAの仕事もこなしている。
ある日、PTA行事で事故があり、ケガ人が出たとのこと。
大事に至らなかったため何よりだったらしいが、保険の手続きがわからないのだという。
これは正に僕の守備範囲である。
当社のご契約ではないが、あれこれアドバイスやら書類の書き方やら簡単な手配・お手伝いをさせていただいた。
家内は医療従事者として、僕はしがない保険屋としてそれぞれ25年以上のキャリアである。
人それぞれ様々な経験を積み重ねている。
電器屋としてのキャリア、主婦としてのキャリア、音楽家としてのキャリア、スポーツ関連としてのキャリア、教育家としてのキャリア、サラリーマンとしてのキャリア。
一時、僕自身、保険屋を続けていくことに悩んでいたことがある。
そんなとき知り合いのドクターさんが「何年その仕事やってきたの?20年!?モッタイない!!」とそんな何気ない一言で思いとどまったことがある。
まあ僕なんて大したモンではないけれど、普段、家ではグータラしている家内が、医療従事者としてスイッチが入った途端、鬼のような仕事ぶりにホントに感心させられた。
もちろんただ長いというだけではなく、それまで何を成してきたか。そしてこれから何を為すのか。
これからも日々経験と精進、キャリアに驕ることなく謙虚に取り組んでいきたいものです。